留学!でも大切な機会はすぐ側にある

薬学部 薬学科 講師:近藤 雪絵

憧れていた「留学」

私は英語教員としては珍しく、学部や大学院での留学の経験がありません。そのことは、卒業してからもずっと心残りとなっていました。このメールマガジンを読んでいる皆さんの中には留学すべきかまだ迷っている方もいらっしゃると思いますが、「出来ない事情」がないのであれば、是非実行してください。

とはいえ、語る経験が何もないわけではありませんので、ワーキング・ホリデー制度を利用し、ニュージーランドでダンス講師として働いていた経験をお話します。

私の個人的な考えですが、ワーキング・ホリデーが上手く機能するのは、次のような場合です。

  1. 暮らすように旅したい
  2. 自分の技術(や作品等)を海外で発展させたい

皆さんは今は学ぶことが主目的だと思いますので、留学という選択肢で間違いないでしょう。ちなみに「経験」というものは、どの選択肢(旅、仕事、勉強、etc.)をとったとしても、全力で誠実に取り組んでいる限り、かけがえのないものが必ず付いてきます。また、その「経験」は帰国後の成長の「種」として自分の中に残ります。

自分をアピールできるものを準備しておく

ニュージーランドに到着して住まいを決めるとすぐに、仕事を得ようと電話帳で調べたスポーツクラブ等に履歴書を送り始めました。しかし返信はゼロ。思い返せば、あんな面白くない履歴書を唐突に送りつけても反応がなくてあたりまえです。自分の横着を反省し、まずは学ぶ立場になろうと町で一番大きなダンススタジオに通うことにしました。

3週間ほどかけてほぼ全てのクラスを受講し、現地で人気のスタイルや日本では人気があってもまだ知られていないジャンルなどもわかってきました。何より、他の先生に顔を覚えてもらえたことが助けとなり、オーナーに面接してもらえることが決まりました。このチャンスは絶対に逃すまいと、その面接日までに自分をアピールするウェブサイトを作成し、自分が作った音源なども準備しました。

まだYouTubeもない時代ですから、自作のウェブサイトは強力なツールでしたが、手持ちの古いPC(HDD 1GB)と少ない素材を元に、のんびりとしたインターネット回線の中で作成するのには大変苦労し、なぜ日本で準備してこなかったのだろうと後悔しました。

実はこれには、本来はダンスではない別の目的のために渡航してたという理由があったのですが、国が変われば当然自分が予測していたことが逆転することも多々あります。将来何が起こるかなんてわからないものですね。留学前に出来る限り英語力を伸ばしておくことはもちろんですが、現地でアピールできるものを出来る限り英語で準備しておくことを強くおすすめします。何を準備していいか思いつかない場合は、今はソーシャル・メディアが強い時代ですので、自分のメディアのプロフィールを英語にして用意しておくだけでも随分違うと思います。また、留学してからいきなりソーシャル・メディアで発信するのではなく、その前から少しずつ英語で発信しておくと、留学する頃にはいい具合に熟成しているでしょう。

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スウェーデン出身のダンサーMさんと。昼はオークランド大学でダンスを学びながら、夜は私のレッスンをよく受講してくれました。

写真:スウェーデン出身のダンサーMさんと。昼はオークランド大学でダンスを学びながら、夜は私のレッスンをよく受講してくれました。

大切な機会は日常にある

日常生活の中でコミュニケーションのきっかけを作るのには、人見知りな私でもそれほど苦労しなかったように思います。相手に興味を示して飛び込んでいけば、拒絶されることはあまりありません。人と知り合う最初の関門は日本より突破しやすい環境でした。そのような環境において大切な出会いは、パーティーやレセプションや企業訪問などセッティングされた場面だけでなく、日常生活にもあふれています。カフェでちょっと相席した人が、人生でとても大切な人になりえます。もちろん知らない人を相手に自分のアピールばかりしていては逆効果ですが、何かのきっかけで相手がノッてきたと思われるときにサッと取り出せる持ちネタを、自分の得意な形で是非準備しておいてください。

そして、もし準備段階で何かわからないことがあれば、経験者の先輩にまず声をかけてみてください。喜んで相談にのってくれると思いますよ!

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Kairos from Wikipedia